お父さん、単身生活を満喫でタグ「やまとことば」が付けられているもの

☆「大和言葉(大和詞)」(やまとことば)
 日本古典文学の解説を読んでいると、ちょっと特殊な用語が使われることに気が付きました。そのひとつに「大和言葉」(やまとことば)があります。ふつう漢語に対して、日本古来のことばを「大和言葉」と言いますが、私が気づいたのは、もっと狭義に「室町物語などで、男女間の手紙や贈答歌に使われる、文才、歌才を示すために使われる謎かけ」という意味なのです。
☆大和言葉が使われるわけ
 室町時代の物語は、前代の物語が公家によって書かれ読まれたものであったのに対して、僧侶や武家などにも広がり、読者(実際は聴衆)はもっと広がっていきました。そのために、以前は物語の中で重要な役割を果たしていた和歌も非常に少なくなり、いくつかの古典的なものがさしはさまれる程度になってしまいました。かわって「大和言葉」といわれる謎かけが、分かりやすく気が利いたものとして取り入れられるようになりました。
 たとえば「物くさ太郎」との共通点の多い一寸法師の原作「小男の草子」で、小男が恋患いをした美しい女性に渡した「大和言葉」は「君さまは松の葉山の道芝の、霞の下の桜花、わたつ海の、横切る雲の、紫の根摺り、傍らに打ち寄する波の干るをだに待たぬかな」です。
 その「大和言葉」を美人は「君さまは、松の葉山とは、末の世まで頼まんとや。霧の下の桜花とは、横切る雲とは男のあるやらんとや。紫の根摺りとは、色深く思ふとや。傍らに打ち寄する波の干るをだに待たぬとは、乾く間もなき袖の上という心なり」だと読み解いて、小男と会うことを約束するのです。
 とてもまだ識字層ではなかった庶民は、御伽草子なども絵を見ながら耳で聞くしかなく、源氏物語などにある本格的な和歌の鑑賞をすることはできなかったんですが、このように、「なにか和歌みたいなもの」に庶民が憧れを抱いて、人間の心を動かす不思議な力を持ったものとして受け取っていたんですね。

初めての方に

サインイン

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

最近のコメント

Techonrati

Technorati search

» リンクしているブログ

2010年9月

      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    

アーカイブ

Creative Commons License
このブログのライセンスは クリエイティブ・コモンズライセンス.