お父さん、単身生活を満喫でタグ「泉鏡花」が付けられているもの

昨日、夜叉ヶ池への中途半端なドライブをしましたが、その成果で泉鏡花の戯曲を読み直しました。泉鏡花といえば「婦系図」いわゆる「湯島の白梅」お蔦主税ですから、通俗小説の右代表みたいで、なんだか敬遠したくなるような作家ですよね。

この戯曲もその面影はあります、登場人物が伯爵のご令息だったり若い京大教授だったりってのが、まさに通俗小説なんでしょうが、現地調査がしっかりしててとても楽しめました。地元はもっととりあげて宣伝してもいいと思いました。少なくとも武生が紫式部から嫌われていたのに源氏物語を宣伝したり、武生をすっとばした奥の細道を宣伝したりするよりよほどいいです。

PICT6063.jpg「夜叉ヶ池」をひっぱりだして読み直してみましたら、地名なども正しく、登場人物も鯖江太郎、鯖波太郎などがあり、JRの駅がある鯖江は別にしても鯖波は現地調査のあとが見えるものだと感じました。
 JRの今庄駅が開業したのが明治29年のことらしく、この戯曲が発表された大正2年ということから考えると、泉鏡花が故郷金沢にJRを利用して帰る途中に今庄に立ち寄ったのは十分に考えられます。
 この悲劇は大洪水で終わるのですが、ちょうど明治28年から30年という今庄駅開業と時を同じくしてこの地域が大洪水に見舞われていたことを現地で生々しく聞いた事が、戯曲に影響を与えたのは間違いないと思います。私がこの洪水のことを知ったのは、やはり昨日のドライブで見かけた「アカタン砂防堰堤群」なんです。
PICT6064.jpg
この戯曲関連では、まだ言ったことがないのは湯尾峠(ゆのおとうげ)。365号線を通る限りでは峠ではないのですが、旧道は峠になっているんでしょう。それと、万葉集「もののふの八十娘子らが汲み乱ふ寺井の上の堅香子の花」で、是非見たいと思っていた「堅香子(かたかご)」の群生が今庄にあるんです。私は富山の伏木まで見に行く積りでしたが、こんなに近くにあるとは思いませんでした。来年の春が楽しみです。

 皆さんは、泉鏡花の戯曲「夜叉ヶ池」をご存知でしょうか。昭和54年ごろに坂東玉三郎で舞台化や映画化がされたので、そっちでご存知方も多いかも知れません。舞台は現代(当時だから明治から大正時代)の越前です。村の美しい娘、百合と東京の伯爵家の跡取り息子、晃の奇怪な伝説に包まれた結婚生活。そこに偶然現れた友人の京都大学教授である学円。そして旱魃と夜叉ヶ池の竜である白雪の白山剣ヶ峯の竜との恋が悲劇へと展開していきます。

 この舞台である夜叉ヶ池に行こうとしたんですが、実はかなりの山の中で、登山の用意をしないと無理でした。実際、戯曲の中でも夜叉ヶ池に以降とした晃と学円は途中で引き返してきたんです。
PICT6113.jpg
 彼らも引き返してきたわけですから、この戯曲の舞台は夜叉ヶ池ではないのですが、竜が住んでいたという伝説と、ヤシャゲンゴロウというここだけに住む虫がいることを知ったらとっても行きたくなりました。今回は靴も他の装備もなかったので、断念しました。

 この写真は駐車場から夜叉ヶ池への登山道を見上げたところで、右の細い道がずっと山のほうに続いています。
この場所はどの辺りかというと、武生から京都のほうへ向かう街道から左にそれた山奥になります。岐阜県境ですが、戯曲中になんども出てくるように滋賀県境とも近く、越前・美濃・近江の境を表わす三国岳の近くになります。


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